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高齢者等雇用安定法が改正されます H24.12月号 | 西村社会保険労務士事務所|なにわ式賃金研究所

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平成24年1月~12月

高齢者等雇用安定法が改正されます H24.12月号

高齢者等雇用安定法が改正されます(25年4月1日より)。
~いよいよ65歳まで雇用する時代へ~

 今秋、「改正 高年齢者雇用安定法」が可決成立し、来年の25年4月1日から施行されることが決まりました。ご存知のように男性では来年4月から(4/2以降に60歳になる方)から厚生年金の報酬比例部分が2年ごとに段階的に65歳まで引き上げられることとなっており、この年金支給開始年齢の引上げに合わせて、60歳定年と年金支給開始年齢との空白期間を埋めるために、企業に雇用確保措置の強化が義務付けされるものです。

 この雇用確保措置とは1.定年の引上げ、2.継続雇用制度の導入、3.定年の廃止 のいずれかの措置を取ることであり、18年4月から既に義務付けられており、大多数の企業が2の継続雇用制度を選択しています。継続雇用制度とは、60歳定年はそのままとしながらも、本人が希望すれば原則全員を期間契約を締結することで、65歳まで更新してゆくものです。

 ただこの継続雇用制度には希望者全員の雇用といいながら、抜け道があり、継続雇用制度の対象となる高年齢者に関する基準を労使協定により定めたときは、希望者全員を対象としない制度も可能となっています。つまり人事考課点が低いとか、社歴が●年に満たないなど、企業ごとの独自の基準に抵触する定年者は、本人が希望していても排除できたのですが、この労使協定による基準が廃止されるのが今回の大きな改正点です。

 弊社のクライアント様もそうですが、多くの企業は、この労使協定で基準を設ける継続雇用制度を採用しているため、必ず来年の4月までに就業規則や労使協定のやり直しが必要となります。

 しかし前述の通り、厚生年金の支給開始年齢の引上げは段階的に行われるため、その間、労使協定による基準もそれに合わせて段階的に廃止してゆくこととなります。
これを図示すれば、以下の通りです

 生年月日による区分               労使協定の基準適用可能年齢      
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日に生まれた者       61歳
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日に生まれた者     62歳
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日に生まれた者       63歳
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日に生まれた者       64歳

 ※例えば、昭和28年4月2日~昭和30年4月1日に生まれた男性は、厚生年金の支給が61歳からとなるため、60歳から61歳までの1年間は、労使協定の基準によって継続雇用を排除す   ることができず、61歳到達後は、従来通り、労使協定による基準を使用することができる。
 ※上記生年月日による区分は、男性の年金支給年齢引上げに合わせたもので、女性は男性より5年遅れの引上げとなっているが、こと継続雇用制度では男性の引上げスケジュールに合
   わせて同時に行われる。
 ※各人の実際の年金受給権に関わらず、生年月日により、画一的に行われる(加入期間を満たさず、年金がそもそももらえない方でも関係がない)。
 ※労使協定による基準が廃止される場合でも、定年後の個別の労働条件(賃金、労働時間等)は、各人別に見直しすることが可能で、これは改正前と同様である。

  ただ個別の労働条件の設定に関し、今までは厚生年金の支給額との関連で、60歳後の給与額を設計することが可能でしたが、来年の4月からはこれが不可能となります(雇用保険の雇用継続給付とのシミュレーションは今まで通り可能)。つまり、会社から支給される給与を引き下げ、その反作用として年金を増加させて実質手取りが下がらないように調整することが困難になります。

 また従来ですと、60歳定年時に引き下げた給与に対して、社会保険料も翌月から連動して引き下げる操作も不可能となります(この手続きを同日得喪というが、これは年金の受給権があることが前提となるため。4月以降は男性はそもそも60歳で受給権自体が発生しない)。

 
 またこれも大きな問題ですが、今秋、労働契約法も改正され、来年4月1日から同日施行されます。ここでの大きな改正は、有期労働契約者の契約が5年を超えて更新されたときは、本人の申し出があれば、企業の事情に関わらず、無期契約に自動的に転換されることとなりました。
 これは定年後の継続雇用制度により、期間契約している高齢者にも適用されます。つまり、一旦、定年により有期契約で更新制になった人が、継続義務化年齢の65歳となったときに無期契約を希望すれば、会社は再び無期契約に戻す必要がでてくるのです。しかも今度は定年というリミットもありません。

 今回の改正は実務上の影響が大きいため、これらに対応した規程類の改正が必要です。少なくとも弊社にて嘱託規程(継続雇用制度)の導入をお手伝いさせて頂いたクライアント様には、今後個別に改訂手続きを行って参る所存です。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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