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小規模企業の人事考課は社長の主観で決める。公平性・客観性は不要!好き嫌いで決めよう!! その2 | 西村社会保険労務士事務所|なにわ式賃金研究所

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平成27年1月~12月

小規模企業の人事考課は社長の主観で決める。公平性・客観性は不要!好き嫌いで決めよう!! その2

小規模企業の人事考課は社長の主観で決める。公平性・客観性は不要!好き嫌いで決めよう!! その2 (H27.3月号)

前回2月号に引き続く第2弾としてお伝えします。
1.科学的、客観的、公平性は不要。課題は人によりバラバラでよい

社長が全従業員を把握できる20人以下の企業であれば、細かな職能要件書や賃金テーブルを作成する必要はありませんし、専門家が用意した評価シートをそのまま運用する必要もありません。
従業員規模が大きくなり、全社の状況を社長が把握できない状況であれば、画一的な基準を作る必要がありますが、20人以下の小規模企業に、画一的な基準を当てはめて運用するのは考課(課題を考えること)の意味がありません。

極論すると、一人ひとり異なる内容を記入した人事考課票で構わないのです。むしろ金太郎飴式評価ではなく、個別に違う課題を与えた方が各人に対する社長の「思い」が伝わります。

2.A3用紙1枚以内に収める。たくさん紙を作らない。シンプルに。

よく「昇給用」、「昇格用」、「ボーナス用」と分かれていたり、等級または役職ごとに細かく分けて何枚も作成されていることがありますが、小規模企業ではA3用紙1枚にまとめます。また評価項目にウエイトを乗ずる必要もありません。難しいだけです。各評価項目を社長の直感で査定すればOKです。

この査定ですが、少しコツがあり、SABCD・・・・よりも10,9,8,7,6・・・と10段階評価の方が階差を感覚的に把握しやすく、馴染みやすいと思います。またシンプルを旨としながらも、できれば3段階、5段階よりも10段階程度の階差があった方が評価しやすい傾向があります。実際に評価をしてみると、5-とか4+とかいった、境界線の感覚がどうしても出てくるからです。多すぎのもダメですが、7段階から10段階くらいが望ましいでしょう。

 

3.人事考課の目的を達成するには、毎月1回行う。半年・1年間隔では長すぎる。

これはシンプルという概念から少し逆行すると思われるかもしれませんが、多くの企業で行われている半年ごとまたは1年1回の人事考課では役に立ちません。

そもそも人事考課は何のために行うのでしょうか?この何のためにという視点は非常に大切で、いわば目的が何かということになります。人事考課とは、社長の「思い」を伝え、それを従業員が消化してくれているかを確認する作業です。それにより経営が向上しないと意味がありません。

ただ小規模企業の社長は忙しいのです。労務管理のことだけを考えて経営ができるのではなく、社長自らが開発や営業、財務など多方面の経営課題を克服していかねばならず、かと言って大手のように担当役員を置けない状況下では、社長自身が人事部長も兼務しなければなりません。従業員に対して「こうして欲しい」「こうなって欲しい」と人事考課票でメッセージを送ったはずが、半年や1年サイクルではついつい忘れてしまいます。

メッセージを送った社長自身が忘れるのですから、従業員においてはなおさらです。ですから、毎月、従業員が自ら読み返して自己評価し、社長に提出するような仕組みが望ましいと考えています。そして社長も読み返して、従業員の自己評価を確認する。それにひと言添えて返す場合もあれば、見てそのまま返す場合もあるでしょうが、時間は取りません。毎月時間を要すると億劫になってしまいます。時間をじっくり取るのは半年ごとでも結構です。そのときには一人最低でも30分以上の時間は掛けます。とにかく、毎月労使双方が、改めて思い出すイベント(仕掛け)が必要です。
以上のような考えに基づいて、ご提供している一つのモデル考課票が弊社にはありますが、シートはあくまでも方便であり、目的が達成されるのならばどんな形式でも構いません。それこそ社長が直感的に使い易そうなものを使用すれば結構です。

 

4.人事考課をやってはいけないケースもある

基本的には経営に対する社長の「思い」を実現するために、小規模企業でも人事考課は行うべきです。しかし一つだけ、やってはいけないケースがあります。それはやや抽象的ですが、社長と従業員間に「最低限の信頼関係」と、「社長のすごさ」がない場合です。これがないままにカッコを付けてやろうとすると、まず、上手く行きません。それどころか返って毒薬になる可能性すらあります。「最低限の信頼関係」と、「社長のすごさ」についてはここでの本旨ではありませんので、詳述しませんが、気をつけたいところです。

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

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