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未払い残業代請求問題の対策を考える  その4   H23.5月号 | 西村社会保険労務士事務所|なにわ式賃金研究所

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平成23年1月~12月

未払い残業代請求問題の対策を考える  その4   H23.5月号

未払い残業代請求問題の対策を考える  その4
~弁護士・司法書士による、消費者金融過払金返還請求の次に来る残業代請求バブルに備える~

 本テーマによる第4回目で、今まの「労働時間の管理の仕方」、「賃金の支払い方」を工夫することで未然に防ぐ対策以外の視点で考えています。全部を履行するのは無理ですから、企業の実情にあった対策を選択していただければと思います。

その他のアプローチ

1)管理監督者の適正な運用

 いわゆる管理監督者には深夜業を除いて、残業手当や休日出勤手当は元からない。ただ管理職=管理監督者ではなく、適切な運用をした場合のこと。適切な運用とは、1.経営者と一体的な立場にあること(一定の経営への参画や人事権の付与など)、2.役職手当、基本給、賞与査定などにおいて、それ相応の待遇が与えられていること(私見では直近下位の者が時間外労働を行っても逆転しないだけの給与水準を確保する必要があると考える)、3.労働時間が一般社員と同様に厳格に規制管理されていないこと(私見ではタイムカードよりは出勤簿による自主申告管理、微細な遅刻早退で減給しない。しかし何も役員出勤を認めないといけないことはない)。

2)清算条項の入った退職届

 時間外手当があることを前提に債権放棄させるというよりも、そもそも時間外労働自体が発生していなかったという主旨の清算条項が入った退職届を提出してもらう習慣をつける。
例 なお、貴社を退職するにあたり、労働契約上、一切の債権債務がないことを確認しました。

3)臨時工で対応する

 夕方以降の業務については、可能なものから学生・フリーター等のアルバイトに切り替える。場合によっては時給1500円で雇っても、正社員の残業単価よりは安くなる。

4)請負制にする 

 職種によっては請負制にして外注費でおとす。労働者ではないので法定福利費や残業代自体が発生しない。ただ実態が労働者と変わらない事もあるので、請負の基準を満たすよう運用面で気をつける必要がある(請負の基準についてはH16.8月号に掲載)。

5)社内評価(賃金)制度の見直し

 製造業や倉庫業などに多い傾向だが、もともと従業員自身に残業が好きな体質がある。理由は簡単で、残業しなければ給料が上がらないからだ。営業職などは自分の頑張り次第で成績を上げ、歩合や報奨金という形で給料アップさせる道があるが、自己裁量のない製造工などは長く働く事でしか、その道がない。従って時間軸以外に給料が上がる評価軸を構築してゆく必要がある。

6)経営者の意識改革

 特に中小オーナー社長に見られる傾向だが、長く働いてくれる事が美徳として捉えられていることがある。確かに遅くまでやっていると、よくやってくれているように見えるが、社長のその感覚がだらだら残業を常態化させている側面がある。8時間で100個作れるよりも、7時間で100個作ってくれる方が当然良いわけで、体質強化をはかるべきである。

7)概念を改める

 朝礼、ミーティング、社内報、ポスターなどによって、「残業は悪である」という社風を作る。人の行動を暗黙に規律するには社風によるところが大きい。本来残業は、会社の命令があって始めて発生するものであって、勝手残業は認めない。本人に元々早く帰ろうという意思がないとか、長くいることが善であるとか、他の人の手前帰りにくいとかといった雰囲気を払拭してゆくことが大事。

なお、各テーマで詳細な対応方法をご相談になりたいお客様は、個別にご相談下さい。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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