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外国人と共生する社会が到来か?平成終焉の先にある国のかたち、覚悟を求められる日本人(2018.12月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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平成30年1月~12月

外国人と共生する社会が到来か?平成終焉の先にある国のかたち、覚悟を求められる日本人(2018.12月号)

外国人と共生する社会が到来か?平成終焉の先にある国のかたち、覚悟を求められる日本人(2018.12月号)

 

さて、この特別国会で、専門職種以外での外国人労働者の受け入れを解禁する、改正出入国管理法が大きな争点となっていますが、与党の力業により成立する見込みであり(11月29日現在)、2019年4月より施行される予定です。いままで技能実習や留学生という在留資格で、一部の単純労働系の職種に外国人を受け入れてきましたが、これを大規模に拡充しようとするものです。
一定の制約があることから政府はこれを移民政策ではないといっていますが、特定技能2号は実質的には家族を帯同して永住権も認められる方向であり、最初は少数でも、蟻の一穴となってどんどん増えて行く可能性が高いでしょう。


先の通常国会では、経済界が望んだ裁量労働制の拡充が、厚労省のデータ不備により廃案に追い込まれました。残業規制や有給付与義務、同一労働同一賃金など、労働側の望む法案が多く通り、経済界は実入り?が少なったことから、その穴埋めと言わんばかりの拙速さで、来年4月のスタートを目指しているようにも見えます。
確かに現在は、空前の人手不足。高齢者や女性の社会参加、労働生産性の向上、AIの台頭でいずれは収束されるであろう人手不足も、今は背に腹を替えられないといったところでしょうか。


ただ現在でも120万人を超える外国人が日本で働いており、例えばミナミの繁華街で飲食店に入ると、身近にそれらしい方々に出会う機会が多くなっているはずです。私共の社労士事務所において事務代行を受託させて頂いているクライアント先の賃金台帳を拝見すると、ここ数年で確実に「カタカナの名前」の従業員が激増していることを実感します。


こういった中で、日本の公的医療保険制度は、基本的に外国人を排除していません。彼らによって日本の健康保険制度が食い物にされているとの指摘があります、それもあってか、本年10月から、協会けんぽの扶養認定において、続柄や生計維持関係のチェックが厳しく行われるようになっています。
そのような指摘がある一方、世代間の仕送りシステムとなっている現行の年金制度を支えるためには、保険料を支払う現役世代を増やさなければ制度が持たず、彼ら外国人に年金制度を支える担い手になってもらわなければならないとの観測もあります。


治安に不安を覚える国民も多いことでしょう。生活習慣や考え方、文化や宗教の違いにより、要らぬ紛争や軋轢が心配されています。外国人が日本人の雇用を奪うという指摘もあります。日本人の待遇が下方向へ誘導されかねないとの懸念も出ています。

移民政策を受け入れてきた欧米諸外国では、移民問題が国を二分するような大論争テーマとなり、海外にはトランプ大統領に代表されるような移民を排斥する政治が受ける素地があります。

有史以来2千年にわたり、ほぼ純血主義で国を運営してきた島国、日本。どんどん血が混ざり合ってゆき、日本人のDNAが変質して行くのでしょか?

いずれにしても、今までの国のかたちが大きく変わるターニングポイントとなるかもしれません。外国人にも日本の風習や文化に柔軟に対応してもらうと共に、我々も彼らと共生することが欠かせないでしょう。これからの労務管理は、ますます複雑になって行くのは確実のようです。
平成の先にはどのような景色が待っているのでしょうか?

 

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

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