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働き方改革は生き残りをかけた経営課題と認識しよう(2019.4月号) | 西村社会保険労務士事務所|なにわ式賃金研究所

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2019年1月~12月

働き方改革は生き残りをかけた経営課題と認識しよう(2019.4月号)

働き方改革のウラにある真の目的を甘く見ると大変なことになる(2019.4月号)

 

●働き方改革のウラにある真の目的を甘く見ると大変なことになるかも?
~これは労務問題ではなく、生き残りをかけた経営問題として認識しよう(2019.4月号)~


2019年は「働き方改革元年」となる年です。本年4月を皮切りに、毎年のように人事労務の分野で大きな法律改正が控えています。


2019.4月  有給休暇5日付与義務
2020.4月  時間外労働の罰則つき、上限規制
2021.4月  同一労働同一賃金の本格的開始
2023.4月  月60時間超の残業の割増賃金50%に引上げ

※施行年月はいずれも中小企業のものです。


これらを単に、労務問題と捉えては、先行きを見誤ることになると考えています。これらに対応できるかどうかで生き残る企業とこぼれて行く企業が明確になるため、生き残りをかけた振るい分けが始まったと認識すべきなのです。


ご存知のように日本の労働人口は急速に減り始めています。2008年に総人口1億2,808万人を記録したのをピークに、総労働人口はどんどん減り続けているのです。
15歳から64歳までの生産年齢人口も2015年には7,728万人(総人口の60.8%)だったものが、2065年には4,529万人(51.4%)まで減ることが予想されており、働き手は総人口の約半分にまで下がるのです。これは中位推計の数字であり、もし政策が失敗した最悪の低位推計ではもっと悲惨な結果となってしまいます。


そうすると今の豊かさを維持して行くことは到底困難となり、貧しい国ニッポンとなってしまいかねません。そこで必要なのが、この働き方改革であり、この真の意味は、労働生産性を上げることなのです。


労働生産性とは・・・・

労働生産性=アウトプット(付加価値額)÷労働投入量(労働人数、または総労働時間)

(日本はOECD加盟国36か国のなかでも、20位と低調であり、先進国の中では最下位である)


要するにいかに少ない投入量で、付加価値を得るかが問われることとなります。


つまり簡単に言うと、人口が減ってい行く日本が豊かさを維持するためには、一人あたり、または1時間あたりの粗利を上げること。これが今、至上命題として求められているのです。

そのように考えると、有給休暇を強制付与するとか、残業規制が厳しくなるとか、それ自体は枝葉末節な話です。こういったいわば経営者から見て厳しい規制は、これに順応することで、付加価値を落とさずに無限定な長時間体質から脱却し、生産効率をアップさせ、体質改善できた企業を残そうとしているのです。体質改善できた企業に生き残ってもらい、雇用を吸収させたいのです。
これについていけない企業は、そう遠くない将来、この世の中から退場を迫られることになりかねません。


有給休暇を付与すれば、稼働日数が減りますよね。残業規制が厳しくなれば、労働時間は短くなります。しかし、しかしです。だからと言って、多くの経営者は、企業規模や利益を小さくして良いとは考えないでしょう。少なくなった時間の範囲で、何とか凌ぐ方策を考えるはずです。そこで知恵を絞り、イノベーションが生まれ、結果として労働生産性がアップして、強い体質に生まれ変わる。そういった変化を促されているのです。


24時間戦えますか?の昭和的働き方は次代には通用しません。行政機関はもとより、求職者、在籍社員、取引業者から三下り半を突き付けられないように、働き方改革は労働問題ではなく、生き残りをかけた経営問題と認識して真剣に取り組む必要がありそうです。

少なくとも西村事務所ではこの問題に真剣に取り組む企業を応援し続けます。

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

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