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過労死 長時間労働により企業責任が問われる~3月号~ | 西村社会保険労務士事務所|なにわ式賃金研究所

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平成17年1月~12月

過労死 長時間労働により企業責任が問われる~3月号~

過労死と労災保険と健康配慮義務 
長時間労働が常態化している企業は要注意を

最近、いわゆるうつ病等の精神障害により休業される従業員が多くなってきています。また仕事中に脳・心臓疾患を発症して倒れる事例も多くなっています。これら精神障害や、脳・心臓疾患によって自殺、死亡に至るケースを総称して過労死と呼んでおります。会社にとっても遺族にとっても非常に不幸な出来事であり、そのダメージは計り知れません。
このようなケースの場合、労災保険ではどのようになっているのでしょうか。まず正しておきたいのは仕事中の事故なら労災になるという誤解です。よく被災者や遺族からこのような誤解が出ますが、単に業務中であれば労災になるのではなく、業務が相対的に有力な原因になっていなければなりません。その上で認定基準をみると以下各々のようになっております。
○精神障害(うつ病等気分障害やストレス関連障害など) 以下の全てを満たす場合
1)判断指針で対象とされる精神障害を発病していること。
2)その精神障害発病前約6ヶ月間に業務による強い心理的負荷が認められること。
3)業務以外の心理的負荷(私生活上の原因)及び個体要因(アルコールとか既往症など)により発病したものでないこと。

○脳・心臓疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞など) 以下のいずれかを満たす場合
1)発症直前から前日までの間に異常な出来事に遭遇していること。
2)発症前約1週間に特に過重な業務に就労したこと。
3)発症前約6ヶ月間に著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと。

ここで業務との関連で特に問題となるのが時間外労働です。例えば脳・心臓疾患認定基準の3)に言う著しい疲労の蓄積を考慮するうえで、過去6ヶ月間にどの月も45時間を超える時間外労働がある場合、もしくは過去1ヶ月間に100時間以上またはその前2から6ヶ月間のいすれかに80時間を超える時間外労働がある場合、業務起因性があるとして労災認定が認められやすいのです。しかも問題はこれだけではありません。過労死などに至った場合は労災だけでは収まらず、遺族から企業の健康配慮義務違反を訴えられて、莫大な損害賠償に応じなければならない事態もあります。
多くの企業の労働時間管理を拝見しておりますと、このような企業責任を追及される時間外労働が常態化しているところがまま見受けられます。
心当たりのある企業は、今一度見直していただきたいものです。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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