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コンプライアンス(法令遵守)が重要になってきた (H16.4月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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コンプライアンス(法令遵守)が重要になってきた (H16.4月号)

労働基準監督署の是正勧告

最近新聞紙上で、労働基準行政にかかわる法違反として是正勧告や書類送検、果ては逮捕者を出す事案まで発生していることが伝えられています。サービス残業による多額の遡及賃金の発生、過重労働による過労死など重大な事件も頻繁に報道されており、企業の社会的信用も著しく低下する事となります。

労働行政の第一線の監督機関である労働基準監督署の監督官が、労働法違反を発見すると、「是正勧告書」と呼ばれる文書を企業に交付し、具体的な改善策を求め、企業は「是正報告書」によって、期日までに報告するようになっております。労働基準監督官は司法警察権を有しており、その監督により場合によっては書類送検したり逮捕したりする事もできる恐ろしい?存在なのです。その監督官が臨検調査するパターンは主に次の3つがあります。
1 定期監督
……これはその年度の行政方針に基づき、一定の業種や重点項目に絞って臨検するものであり、抜き打ちで来る事があります。
2 労働災害時の監督
……これは重大な労働災害が発生した後に、その原因究明や再発防止を指導するために臨検するもので、これも抜き打ちで来る事があります。
3 申告による監督
……労働者からの申告やいわゆる”たれこみ”によって行われる監督で、抜き打ちで来る事もありますが、文書による呼び出しが多いように思います。

これらの監督業務には少なからず調査項目について一定の傾向があり、コンプライアンスの面からも、良好な労使関係の面からも気をつけておきたい項目です。もちろんこの他にもたくさんの項目がありますが、よく是正勧告を受け易い項目を列挙しておきます。

・就業規則の作成、変更、届出をしているか。
(常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、監督署へ届出る義務があります。 労基法89条)
・36協定を締結、届出しているか。
(労働者に時間外、休日労働をさせる場合は協定書を締結して監督署へ届出なければなりません。 労基法36条)
・健康診断を行っているか。
(使用者は常用労働者に対して年1回健康診断を行わなければならないのを始めとして、一定の条件下に健康診断の実施を義務付けている。 労働安全衛生法第66条)
・最低賃金以上の賃金を支払っているか。
(大阪府の最低賃金は時間当たり731円となっており、ほかに製造業を中心に業種別の最低賃金額がある。
最低賃金法第5条)
・時間外手当を全額支払っているか。(労基法第24条など)
・安全管理者、衛生管理、産業医などを選任しているか。
(主に常時50人以上の労働者を使用する事業場に選任義務あり。労働安全衛生法第11,12,13条など)
・法定労働時間をクリアしているか(労基法第32条など)

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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