平成17年1月~12月
自己満足の与え方~10月号~
● 従業員に自己満足を与えよう!
前回は労務管理には「自己満足が必要だ」と題して述べさせていただきました。今回はその自己満足感を与えるための誰にでも出来る簡単なやり方をいくつか考えてみたいと思います。
①従業員に感謝しよう!
私が多くの中小企業の経営者と従業員のことについてお話するとき、よく感じることがひとつあります。それは経営者の口から従業員へ感謝の念があまり聞かれないことです。その逆に物足りなさからくる不満はよく聞きます。しかしそもそも経営者と従業員の溝は当然あるはずで、社長と一緒のレベルで従業員が仕事するはずは元からありません。100%力を出してくれるなどと言うのは幻想で、6割の力をコンスタントに出してくれればOKだと得心すべきです。その認識の上で従業員に感謝の念を表しましょう。社長一人だと到底達成できない事業活動の一翼を、まぎれもなく担ってくれていることに一言、「ありがとう、また頼むわな」って感じで充分だと思うのです。
②大きすぎず、期待をかけよう!
期待しすぎてはギャップに苦しむだけですが、人から期待されて悪く思う人はいないし、期待されていることを感ずれば、誰でもその人のことを裏切りたくないと思うのが人間だと思います。どんなに悪ガキだった子供のころを思い出しても、羽目をはずそうとしたときに悲しむ親の顔が浮かんでくるとき、何とか踏みとどまれることがあったはずです。社長もその人の大事な一生の中で、ご縁にも自分の会社で出会った従業員に対して期待をかけましょう。その思いを言葉で伝えましょう。
③目標を与えよう!
社長の思いを従業員の目標にしましょう。個人ごとに「君はこうなって欲しい」と。一人一人に言葉と紙で伝えましょう。元々目標管理や人事考課は人を査定し、序列付けるためのものではありません。社長の思いが従業員に伝わっているかを確認し合うツールに過ぎないのです。短期間で達成できる簡単な目標がいいでしょう。
④目標を達成したら素直に誉めよう!
どんなに小さな目標でもクリアできたらちゃんと言葉で誉めましょう。「よく頑張ってくれたな」って。特に結果だけを捕らえるのではなく、そこへ到達した頑張りに対して配慮しましょう。見えない努力には特に。出来れば本人だけでなく、みんなの前で誉めてあげよう。
⑤出すものはちゃんと出そう!
目標をクリアしたら渋らず、出すものはすっと出そう。出来たら給与で支給せず、一時金として皆の前で熨斗紙を付けて手渡そう。「僅かだけれども、ありがとう」って感謝の念を添えて。
文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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