労務は感情 労務は心理学
労務管理の世界は決して理屈や係数の世界で動いていません。それは感情や心理学の世界で動いています。
いくら就業規則や賃金制度を整えようが、これに配慮していない社風の中では意味がありません。
人間をもっともっと、研究しましょう。
連合の原理
おいしいものを食べるなどの快楽の体験は一緒にいる相手や会話など、周囲の記憶と結びつき、心地よい
記憶として蓄積される。会議や交渉ごとに利用できる。
人事を分けて考える
「人」と「こと」を分けて考え、「人」に焦点を当てずに、「事」に焦点をあてると、感情を基にした労使紛争も避けやすい。理屈は分かるが、「そんな言い方ないやん」という法律論でも係数論でもない感情論の世界
何で納期が遅れたんだ!! → このように言う上司の主語は隠れているが「お前は、へぼ!!」と人に焦点が当たっている。言い訳するだけ。恨みも買う。
納期が遅れた理由は何だ。 → 事に焦点が当たっている。原因究明にも資する。
スティンザー効果
人は以前に対立した相手が会議に加わっている場合、その正面に座ることが多い。
評価のエラー
人の評価のエラーにも関係する
初頭効果:最初の記憶が印象に残りやすい(第一印象)
親近効果:最後の記憶が印象に残りやすい(終わりよければ全て良し)
間のプロセスはどこへ行ったの?
期待×価値理論
やる気=期待(やってくれるだろうとの思い)×価値(やるのに値する行為という認識)
※どちらかが0(ゼロ)ならやる気は無くなる
見物効果
人は他人から見られていると認識すると、仕事の質・量・スピードがあがる
好子出現の強化
人間は自分の行なった行動の直後に好子が得られると、その行動を繰り返す
笑顔、感謝、承認は好子の代表格
行動分析学の基本原則 60秒ルール
行動を強化や弱化するときは、行動の直後の60秒以内が勝負である
相手が望ましい行動をしたとき間髪入れずに強化(褒める、感謝する)
相手が望ましくない行動をしたときも間髪を入れずに弱化(注意する、叱る)
相手の話を聴くスキル
相手の話を聴くスキル 聴くことで解決案がなくても解決する場合もある
相手の話をすぐに否定しない(たとえ間違っていると思っても一旦最後まで聞く)
相槌を頻繁に入れる(返事、うなづき、表情、身振り)
相手の話を要約する(○○という理解で間違いないですか、○○ということですね)
パーキンソンの法則
パーキンソンの法則
人は与えられた時間の全てを使い果たそうと、無意識のうちに仕事のペースを調整してしまい、パフォーマンスが低くなってしまう。
つまり・・・・残業は必要だから行なうのではなく、8時間でできる仕事を9時間でするリズムになっていることも多いのでは・・・・
忘却曲線
忘却曲線
社長の話は、1時間後には6割の社員が忘れる 1ヵ月後には8割が忘れる
だから本当に伝えたいメッセージは、多少しつこいほど、繰り返して丁度いい。
錯誤行為
錯誤行為 (凡ミスの温床)
人間の意識下にある本音の表れ
普段は敬語 思わずめタメ口:本当は上司として認めていない
ぼんやりして急に電話 思わず本名でもしもし:本当はあまり会社に居たくない
セルフハンディキャッピング現象
セルフハンディキャッピング現象(自己防衛)
人は目標達成が出来ないための理由を先回りして用意している。それは一所懸命に努力しても、結果が出ない場合、実力がないことを認めたがらないためだ。
フォールス・コンセンサス効果
フォールス・コンセンサス効果
世の中の多くの人は「自分の考え方は正統派であって、違う意見を持っている人は
変わっている」と思い込んでいる
反論するにもテクニックがある
反論の技術
でも、だけど、しかし で反論しない
「そして」「それでね」の肯定語でつなげる
山田君はこう思っているんだな。でも俺はこう思うよ。 ×
山田君はこう思っているんだな。そして俺はこう思うよ。 ○
名前効果
ある心理学実証実験の結果 名前の効果
おい、君、お前、あいつではなく
会話に名前を入れる、名前で呼ぶと、好感を持たれる
物的報酬より効果がある心理的報酬
心理的報酬
人は褒められると、報酬を得た場合と同様の快を得ることが確認されている。
報酬は金が要る、褒めるのはタダだね。
期待は掛けるべし
予言の自己成就
周囲に煽られた社員が深層心理の中でその期待に応えようとしてめきめきと能力を発揮し、結果として「予言通りの結果」を収める現象
端数効果
端数効果
端数に意味があると考える心理
応用 9時始業で僅かな遅刻が多いある部下に対して 「明日8時47分に来てください。」
効果 半端な数字に強い意味を感じる
結果 9時前に来れば、ほんの意識の差でちゃんと来られることが分かる
お金では人は動かない
人はお金だけで動かない
期待(人からの期待と自分自身への期待)×価値(意味のあること)=ヤル気
掛け算であることに意味がある。どちらかがゼロではヤル気もゼロになる。
見た目はやっぱり大事、メラビアンの法則
言葉の伝わり方を左右するのは、表情・態度で60%が決まり、語調で30%、内容は
僅かに10%に過ぎない。
念ずればかなう、ピグマリオン効果
ある心理実験
AB同じ知能レベルのクラス。教師にAのクラスは優秀と触れ込み、Bはそうでもないと伝えて授業を行なうと、Aクラスの生徒の成績が格段に伸びた
人にに期待を掛ければ、人はその期待に応えようとする
何故なら期待する人の接し方が無意識レベルで変わるからだ(ピグマリオン効果)
好意の返報性
好意の返報性の原則
人は好意のある人に好意で返し、悪意のある人に悪意で返す。
知らず知らずのうちに、嫌な表情、言葉遣い、態度を取っていませんか?
相手からも必ず悪意が帰ってきます。
感染効果
人間は一緒にいる人の影響を強く受ける―感染効果―
つまり、出来の悪い部下も上司次第と言うことか
相手が悪くてもそれなりの理屈がある
◆盗人にも五分の理を認める
人間はたとえ自分が間違っていても、決して自分が悪いとは思いたがらない。
相手はすぐさま防御体制をしいて、なんとか自分を正当化しようとするだろう。
自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心を起こすことなり、まことに危険である。
人は承認を求めているのだ
◆重要感を持たせる
人間の持つ性情のうちで最も強いものは、他人に認められることを渇望する
気持ちである。人間は例外なく他人から評価を受けたいと強く望んでいるのだ。
この事実を決して忘れてはいけない。
論破は逆効果。逃げ口を与える
相手を論破してはいけない。少し逃げ口を与えよ。
その非を諭らさせたとしても相手の自尊心がそれを許さない。ただ恨みが残るだけだ。
怒りの正体 実は第二感情だった
- 怒りは第二感情 -
迷子が見つかった親の場合
「どこ行ってたのよ!! ほんまにあんたは!!」→怒りの表出
『見つかって良かった、ほっ』→内面の感情
怒りの前には期待や、安心など他の感情が先にある場合が多い。
つまり、部下に対する怒りもただ怒っているのではないのだ・・・・
褒めるが負け?
ある管理者曰く、「あいつらをヘタに褒めたら、こっちの負けだ!!」
平凡人曰く、「一体、何に勝ちたいの?」
相手の反応が自分のコミュニケーションの結果だった
あなたのコミュニケーションの結果はあなたの部下を見れば分かります。
あなたの言動に対して、部下がどのように反応するかが、あなたが行なったコミュニケーションの結果なのです。
つまり、責任は自分にあるのだ。
女性は男性よりこまめに声掛け
ある心理実験 批判もされないし、褒めもされないとき
男性の場合 特に問題が無いんだなと肯定的に解釈
女性の場合 何か問題があるんだろうかと不安に解釈
心の矢印を相手に向けない
あなたメッセージは攻撃的になるので気をつけましょう!!モノは言い方次第。
何で(お前は)納期が遅れたんだ!! × → 納期が遅れた理由は何だ? ○
人事を分けて考えると分かりやすい。前者は「人」(お前)に焦点が当たっているのに対して、
後者は「事」(理由)に焦点が当たっている。
「ど」つき質問の勧め
簡単に答えを与える前に上司が癖付けること
無批判に上司に頼ってきた部下の場合 それを受ける上司
「これ、どうしたらいいですか?」 → 「○○君はどう思う?」「君ならどうする?」