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拍子抜けするほど簡単な評価制度の作り方~11月号~ | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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平成17年1月~12月

拍子抜けするほど簡単な評価制度の作り方~11月号~

拍子抜けするほど簡単な中小企業の評価制度の作り方
~オーナー会社は主観を大切にすることから始まる~

 人事制度の中で最も難しいのは、従業員を適性に評価することです。どうすれば納得性のある評価ができるのか、お悩みの経営者の方も多いことかと思います。これがストンと腹に落ちれば、人事制度は8割方達成されたようなものです。そこで今回は誰にでもできる、拍子抜けするほど簡単な評価制度の作り方を考えてみたいと思います。
 まずはじめに、人事評価は何のためにするのでしょうか?結論から申し上げると、経営を向上させるためです。これがなければやる意味がありません。さらに突っ込んで申し上げると、人事評価とは「経営の意思の伝達とその確認作業」なのです。つまり従業員に対して、「これだけの業績を上げて欲しい」とか、「このような能力を身に付けて欲しい」など経営者の“思い”を従業員にメッセージとして伝え、それが一定期間の間に従業員に伝わったかを確認する行為なのです。そしてこのメッセージが上手く伝わっていれば、業績の向上に寄与するはずで、そうでなければいけません。ただ単に従業員を序列付けて賃金を配分するための道具ではないのです。果たして経営者は、このメッセージを伝えているでしょうか?
 では技術的にどのようにして、評価制度を作ればいいのでしょうか?これも結論から申しましょう。経営者の主観を大切にしてください。人事評価に客観性や科学性を持たせるのは実務上ナンセンスです。あなたが良いと思った人を評価し、ダメと感じた人は低く処遇するという、当たり前の“感じ”から出発しましょう。この現実を素直に認識しましょう。具体的にはこうです。
 まず何も考えずに、直感で従業員を4段階に区分してください。その区切りは例えば、1 社長の片腕 2 さすがのベテラン 3自分のことは一人前 4 まだまだ半人前 というような簡単な区分で構いません。紙に書いて見えるようにしてください。感じるまま、つまり主観で結構です。そのようにして区分した後、1の「社長の片腕」に区分された従業員はなぜそのように感じたのか、個々の従業員ごとにその理由を箇条書きで書き出してください。1の対象者がいなければ、2で考えてください。今度は4の「まだまだ半人前」と感じた従業員は、なぜそのように感じたのかを同じようにかい出してください。というようにして行くと、高く感じた人にはどのような理由が出てきたでしょうか?また低く感じた人はどうだったでしょうか?
 そこで出てきた行動や思考方法、技術、勤務態度が取りも直さず貴社の評価軸なのです。他の会社では評価の対象にならないかもしれませんが、貴社では高く評価される項目であり、低く評価される項目なのです。これを明らかにして、従業員に開示できればあなたのメッセージは目に見えるようになるのではありませんか?

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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