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社風 企業風土がマンパワーの源泉 (H16.1月号)
●社風 企業風土がマンパワーの源泉 (H16.1月号)
私のようにいろいろな企業をご訪問させて頂いていると、自ずと”いい社風”の会社に出会うことがあります。かつてサラリーマンで営業をしていたとき、こんな会社がありました。「社内ではどんな人に対しても、目を見て明るく元気に笑顔で挨拶する」
そこの社員はたとえ誰だか知らないその人が、単にセールスに来ただけであっても、そういう風に振舞うのです。事務所に入っても、知らん振りする人はいません。必ず先に向こうから声がかかりますし、こちらが用件を言うと必ず向こうも立ち上がって丁寧に応対します。事務所から出て門を出るときも、場内作業の人が元気に送り出してくれます。何だかこちらが気恥ずかしくなるくらいで、どんな無愛想な人でも気持ちよく挨拶を返さないと悪いかなって、思ってしまうくらいです。
その会社はある大手飲料水メーカー系の企業で、永い間、業界内でトップシェアを誇る巨人といわれたライバル会社を抜きさって、近年業界トップに踊り出ました。何もこのことだけが好業績の原因だとは思いませんが、納得させられる感じがします。
皆様の会社では”いい社風”がおありでしょうか。私はこれこそが企業のパワーの源泉だと考えています。特に経営資源や立派な人事システムを持たない中小企業にこそ大切だと思います。何故なら良好な社風は、限られた人材を活用する上で、普通の人を会社の向かうべき方向に導き、そこに馴染まない異分子は自然に淘汰してくれるからです。環境が人を育て、環境が外的からのバリアになるのです。しからばこの社風なるものは、一体どこから生まれてくるのでしょうか。たまたまいい素養の社員が集まっている会社に醸成されるものなのでしょうか。否、そうではなく経営者の全人格が発露していると考えたほうがいいでしょう。経営者のこころざし(志)、思い、人柄、願望、理念・・・。そういったものが会社の風土になるのだと思います。そしてこれは人の思考や行動を凛として律する作用があるのです。お客様を大切にする社風、不正なことをしてまで金儲けはしないという社風、あとちょっとの努力を惜しまない社風、果敢に挑戦してゆく社風・・・。
今一度、我が社の社風を考えてみるのも決して無駄なことではないはずです。
文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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