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出来ると思って高額で雇ったら期待はずれ・・・・  (H18.5月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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平成18年1月~12月

出来ると思って高額で雇ったら期待はずれ・・・・  (H18.5月号)

そんな時、特別保障手当を活用しよう!
~採用後の期待はずれによるリスクを回避するために~

 求人情勢が逼迫してきました。一部にミスマッチは見られるものの、有効求人倍率、失業率、求人広告件数をみても明らかに売り手市場になってきており、人が集まりにくい情勢になっています。特に大手企業の採用ラッシュはすさまじく、中小企業にとってはつらい求人難の時代が再び訪れようとしています。
 中小企業の採用の特徴として、定期新卒採用をするところは少数派で、どちらかといえば即戦力を求めて中途採用が主であり、更に採用難をパートや高齢者雇用によって補い、一定の社会的能力が初めからあることを期待して採用するものです。お辞儀の仕方から始まり、何年もかけて指導教育して行く余裕はほとんどありません。
 そんな中で我が社にない特別な能力、知識、技術、経験を持っていると思われる人が応募してくると、過大に評価して採用してしまい、何とか来て欲しい負い目や焦りも手伝って、採用時にしては高額な給与で来てもらうことがあります。前職ではそれ相当の給料をもらっているからです。この傾向は一般の求人媒体を見て、応募して来られる方よりも、どちらかといえば取引先など知己の会社の従業員であったり、銀行からの採用であったり、親会社からの天下り?であったりすることが多いようです。いずれのケースでも、採用するまでは過大な期待があるのだけれども、いざ我が社で仕事をしてもらうと「う~ん・・・・・。」って感じになることが結構あるようです。しかし雇った手前、解雇などして紹介者の顔を潰すこともできず、また一旦決めた高額な給与にも手がつけられず、困惑してしまう結果を招来する状況を散見します。このような場合、如何にすれば良かったのでしょうか?
 そこで提案したいのが特別保障手当の活用です。これはその名の通り特別に保障するお金で、一定期間の暫定措置とします。つまり前職給与を考慮して、総額ではそこそこの額に設定するのですが、内訳は変えるのです。例えば、
 基本給 30万円  特別保障手当10万円   総額40万円
そしてその下に、次のような但し書きを入れます。「※但し、特別保障手当は別紙の能力(又は成果)を前提として支給するもので、採用から○ヶ月間はこれに拘わらす支給しますが、○ヵ月後再度面談の上、この基準に該当しないと会社が判断したときは削除を含めた見直しをし、基準を満たす場合は基本給に組み入れます」
 これをきちんと面接時に説明し、採用時には雇用契約書(雇い入れ通知書ではない)を交わして明記するとともに、再度念押ししておき、相手に承諾してもらった上で署名捺印をしていただくのです。できれば最初は期間契約にし、その後大丈夫なら通常の期間のない契約にするのがいいでしょう。こうしておけば、万が一期待はずれだったとしても、少なくとも最初の高額な給与に拘束されることはなく、見直しが容易です。少なくとも再度労働条件見直しのチャンスが持てます。
 ただこうするためにはその給与に見合う、期待成果(基準)をきちんと明らかにしておかなければなりません。「貴方のような優秀な方には、これこれこういうことを我が社でやって欲しい」とメッセージしておくべきです。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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