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部下を育てるコミュニケーション手法 コーチング  (H19.6月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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平成19年1月~12月

部下を育てるコミュニケーション手法 コーチング  (H19.6月号)

部下を育てるコミュニケーション手法 コーチング  (H19.6月号)
「君はどう思う」を口癖にしよう。

 昨今、ビジネスの世界でも部下を育てる手法として、コーチングが注目されています。コーチングとは、「企業の管理監督者が部下の指導育成の為に、目標達成、問題解決、技能向上を促進することを目的とするコミュニケーション」と言われています。ちょっと表現が難しいのでもっと分かりやすく言い換えると、「答えは必ず部下が持っている」という人間観の元、「質問によって相手から気づきを引き出すコミュニケーション」という風に、理解することができます。
 ところが一般的に管理監督者が部下に接するときは、以下のような傾向があるように思います。

1.上司は部下より有能でなければならない
2.上司は部下よりいろんなことを知っていなければならない
3.従って上司は部下に対して適切な指示、命令、アドバイスを行なわなければならない

 でも、コーチングはこのような人間観に立ちません。あくまでも部下の無限の可能性を信じるのです。所詮、管理監督者、とりわけ中小企業の場合、社長一人の力は知れています。いくら社長が人の倍働いても、足し算にしかなりません。しかし部下=組織が活性化すれば、掛け算で力が増えます。この掛け算の相乗効果を持ち込むには、どうしても部下の力が必要なのです。
 そこでこれから社長や管理監督者が意識すべきコミュニケーションを提案したい。特別に難しいことではありません。それは一言、「君はどう思う」との質問を、部下に投げかけるのです。ただそれだけです。
 今までは部下より有能な(ハズの?)上司が、一方的に指示命令をしていたものを、そうする前に、簡単にこちらから答えを与える前に、ただ一言、「君はどう思う」「お前なら、どうする」「貴方はどうしたいんだ」と聞くのです。
 最初は部下も戸惑うかもしれません。沈黙が起こるかも知れません。でもぐっとこらえて、答えを待ちましょう。そういう接し方を、気長に継続しましょう。そういうコミュニケーションが定着してきたら、そこから起こる変化を更に発展させるのです。

 勿論、上司として適切な指示命令を与えるのを躊躇してはいけません。それはそれで必要です。そのコミュニケーションと質問するコミュニケーションを並立させるのが、上司の腕です。
 部下を認めるのは案外難しいものです。得てして上司は物足りない部下に対して、おしゃべりになり過ぎです。認めるというのは、言(言葉)を忍ぶと書いて、認めるのです。一方的にこちらが話して、認めたことにはなりません。ちょっと、試してみる価値はないですか?

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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