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年間休日日数について考える(2022.4月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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2022年1月~12月

年間休日日数について考える(2022.4月号)

年間休日日数について考える(2022.4月号)

 

皆様こんにちは社労士法人ラポールの坂口です。

新型コロナウイルスにおける様々な問題が今現在も続いておりますが、4月の新年度を迎えるにあたり、採用においては2023年卒の採用傾向は2022年卒よりもさらに回復傾向となり採用予定数を増やす企業の割合も増加する模様です。アフターコロナに向けた採用、新卒人口の現状などを踏まえて人材を確保する必要がある企業が多いようです。

またコロナ感染拡大により大きく落ち込んでいた有効求人倍率についても、厚生労働省が公表した2022年1月分の一般職業紹介状況を見ると、ここにきて2022年1月は前月比0.03ポイント上昇の1.20倍、大阪府においても2022年1月においては前月比0.02ポイント上昇の1.24倍(いずれも原数値)となっており、5カ月連続の改善。2020年4月以来、実に1年9カ月ぶりの水準となるようです。

 人材の募集、採用のお悩みは今に始まったことではございませんが、世間ではコロナ渦の中、雇止、解雇、倒産など人が溢れているような報道がなされていますが、少なくとも中小企業においてはそのような状況下においても中々募集をかけてもまず応募がなく、少ない応募の中、欠員補充ということもあり急いで採用しなければならず首をかしげながらも採用した人材が入社してはすぐに退職するといったケースを数多く聞いてまいりました。

人の悩みは永遠のテーマであります。

本題に入りますが今回は転職先を探す場合に、「どのような条件で絞って検索するのか」を題材にあげその上位項目である「休日日数」をテーマに取り上げてみたいと思います。

20代、30代が転職先を探す場合に重要視する項目は「勤務地」「年収」「職種」「雇用形態」「休日条件」が上位に挙げられております。中小企業の多くは中途採用がメインであり年齢層ももう少し上がるかと思われます。それでも私見になりますが、中途採用の場合においても「勤務地」「年収」「休日条件」は上位であろうと思われます。

特に最近ご相談の多いのが「休日条件」のご相談です。

先日も運送業のお客様で募集をかけているがとにかく応募がない、また入社してもすぐに退職するといったご相談がございました。現有社員や退職者に退職理由を聞くと休日日数の少ないのが一つの原因ではという声が上がりました。職種がら労働時間が他の職種よりも長いのは仕方がないにせよ休日日数の確保が浮き彫りとなり、今後は完全週休2日制を導入することの検討や雇用形態の多様化も視野に考えていかれるようですが、その為にもまず人の確保をしなければ上記のような対策は出来ませんので日々悩んでおられます。

製造業のお客様においては、退職者が年明け以降数名出ており、その理由も休日日数だけではないにせよ一つの原因となっております。元々の人数が10名弱でしたので一人退職しても大変です。その中でも仕事自体の受注はあるし、営業にいけば受注を取れる技術もある、だけれでも人がいないからそのアクションを起こすこともできない。これまでも休日日数は増やしてきたが今期はそれ以上に休日日数の増加をされるようです。

では休日日数は年間何日あれば理想なのでしょうか

R3.就労条件総合調査を見てみましょう

労働者1人平均年間休日日数

30人~99人 110.4日  

100人~299人 114.3日

となっており、30人~99人の企業規模においても120日以上の会社が3割近くとなっております。先ほど述べた20代、30代の転職希望者の重要視する項目の「休日条件」は完全週休2日制で年間休日120日以上を想定しているようで、同業種の相場と比較するのが重要ですが休日日数が魅力の一つと感じているのは間違いないようです。

先ほどの重要視する項目の中で勤務地は会社の場所を変えることは当然難しいでしょうし、年収についても現有社員との兼ね合いもあり大きく引き上げることは難しいでしょう、ただ年間休日についてはいきなり大幅に増やさなくても取組みやすい項目の一つではと考えます。

理想となると完全週休2日制で祝日と年末年始、夏季休暇を入れた125日でしょうが、

110日を下回っている会社であればまずは110日を目標にしてクリア出来ればその後休日日数を徐々に増やしていくといった形で進めていくのもよいかもしません。

簡単に言うなと言われるかもしれませんが、今後の時代の流れ、生産年齢人口の減少、働き方改革における業務の効率化を考えると休日日数の問題はすでに手を付けずにはいられない問題と思われます。

今はほとんどの応募がインターネットです、つまりはインターネットで検索する際は条件を絞って検索できるので、極端なことを言えば休日日数以外すべてが秀でていても休日日数で検索しその日数に満たなければフィルターから外れるので閲覧すらして頂けないということです。

いわゆるZ世代の働き方に関する意識調査では残業の少ない会社で働きたい74.8%、週休3日制で働きたい65.8%(給与は変わらないのが前提)となっております。

そのつぎの世代はα世代です。α世代においてもこの意識が変わることはないでしょう、つまりは企業が変革していかなくてはならないのです。

人の募集、採用で頭を抱えておられる社長はたくさんおられると思います。

今後ではなく今から一緒に考えていければと思います。

(参考)

2022年度 日曜日 土曜日 祝日 年末年始
盆休み
すべて共通⇒ 52 53 15
土曜祝日除く
5
完全週休2日制 125
月1日土曜出社 113
隔週土曜出社 101

 

(文責 社会保険労務士  坂口 将)

 

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