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事業所の自動車運転アルコールチェックが義務化(2022.5月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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2022年1月~12月

事業所の自動車運転アルコールチェックが義務化(2022.5月号)

事業所の自動車運転アルコールチェックが義務化(2022.5月号)

令和4年4月より事業所の飲酒運転根絶のための取り組みが強化されています。4月と10月の2回に分けて順次施行となります。対象となる事業所は、安全運転管理者を選任して警察署に届出が必要な事業所で、具体的には以下のいずれかに該当する事業所です。


○乗車定員が11人以上の自動車を1台以上保有している
○その他の自動車を5台以上保有している(自動二輪車は0.5台でカウント、原付は対象外)

※この自動車は白ナンバーを含みます。
※会社単位でみるのではなく、各拠点ごとに判断します。
※業務で使用する自動車のみであり、例え社有車でも通勤で使用する車は含みません。但しマイカーでも業務で使用する場合は対象となります。


つまり自動車を5台以上保有している事業所は、以下の法改正に対応しなければならなくなったのです。


◆令和4年4月1日施行

○安全運転管理者は運転の前後の運転者の状態を目視等で、酒気帯びの有無を確認すること
○酒気帯びの有無について記録し、その記録を1年間保存すること。


◆令和4年10月1日施行

○安全運転管理者は、運転者の酒気帯びの有無の確認を、公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて行うこと。
○アルコール検知器を常時有効に保持すること。

※「国家公安委員会が定めるアルコール検知器」については、呼気中のアルコールを検知し、その有無又は濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能などいずれでも確認できるものであれば足り特段の性能上の要件はありません。
※ネットではまだ入手できるようですが、アルコール検知器が品薄となっているようです。早めに手当てしておいた方が良いかもしれません。
※「運転前後」とは、必ずしも運転の直前直後の都度確認するのではなく、運転を含む業務の開始前や出勤及び終了後や退勤時に行うことで足ります。
※「目視等で確認」とは、運転者と対面し、顔色、呼気、応答の声の調子等で確認することをいいます。
※安全運転管理者の不在時など管理者による確認が困難な場合は、副安全運転管理者又は安全運転管理者の業務を補助する方でも酒気帯びの確認をしても差し支えありません。
※直行直帰など対面での確認が困難な場合は、これに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携行型アルコール検知器を携行させるなどした上で、携帯電話などにより、安全運転管理者と直接対話できる方法によって、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法などがあります。

そもそも安全運転管理者制度が余り周知されていませんので、以下に概要を記載します。

1 安全運転管理者の資格要件

 (1) 安全運転管理者
  ○年齢20歳以上(副安全運転管理者を置く事業所は30歳以上)の者で下記のいずれかに該当していること
   ・運転管理実務経験 2年以上
   ・公安委員会の教習を受けた者 1年以上
   ・公安委員会の認定を受けた者
  〇 過去2年以内に公安委員会の安全運転管理者等解任命令を受けたことがない者
  〇 過去2年以内に特定の違反行為をしたことのない者

 (2) 副安全運転管理者
  〇 年齢20歳以上の者で下記のいずれかに該当していること
   ・運転管理実務経験 1年以上
   ・運転経験 3年以上
   ・公安委員会の認定を受けた者
  〇 過去2年以内に公安委員会の安全運転管理者等解任命令を受けたことがない者
  〇 過去2年以内に特定の違反行為をしたことのない者

※実務的には一定の労働者に車の使用を禁止できるような権限のある管理監督職の方が想定されます。

2 安全運転管理者の業務

 (1) 運転者の状況把握  (2)安全運転確保のための運行計画の作成 (3)長距離、夜間運転時の交替要員の配置 (4)異常気象時の安全確保の措置 (5)点呼等による安全運転の指示
 (6) 運転日誌の記録 (7)運転者に対する指導 (8)酒気帯びの有無の確認及び記録の保存 (9) アルコール検知器の使用等

   
 
3 酒気帯び確認の内容の記録項目(1年間保孫)

 〇 確認者名
 〇 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号
 〇 確認の日時
  ・アルコール検知器の使用の有無
  ・対面ではない場合の具体的方法
 〇 酒気帯びの有無
 〇 指示事項
 〇 その他必要な事項 など

※記録内容が見たされる限り、運転日誌との共用とか、任意様式で構いません。 

4 届 出

安全運転管理者を選任したときは、15日以内に必要な添付資料をつけて所轄の警察署に届出しなければなりません。届出を怠った場合は罰則(5万円)があります(法改正で50万円になる予定)。
事務手続きの詳細 大阪府警HP
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/ankankosyu/7375.html

 

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

 

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