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定年退職者の継続雇用は、必ず有期雇用契約書を交わそう | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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平成26年1月~12月

定年退職者の継続雇用は、必ず有期雇用契約書を交わそう

●定年退職者の継続雇用は、必ず有期雇用契約書を交わそう
~そうでないと、何かと不都合が起きる・・・・・・~

中小企業の労務管理の中で足りないものの一つに、文書化がおざなりになる、ということがあります。雇用契約書もその一つです。その雇用契約書の中で も更におざなりになってしまうのが、定年退職者を継続雇用する場面です。賃金が減額されることが多いとはいえ、定年後、特別な手続きもなく1日もおかずに 元の職場で元の仕事を普通にこなしている状態ですので、再雇用しているという感覚がないのも分からないではありません。

しかし法的には定年前の雇用と定年後の雇用は全く別物※であり、以下に述べるように、実務上も再雇用後の労務管理で雇用契約書がないと、色々不都合が生ずることがありますので、是非、雇用契約書を締結することをお勧め致します。

※別物とは、簡単に言うと、定年退職によって今までの雇用契約は一旦リセットされ、新たな雇用契約が始まるということ。

=不都合その1=

「雇用契約が青天井になってまう」
60歳定年でも65歳定年でも、とにかく定年後の再雇用は必ず有期雇用契約にすべきです。できれば1年以内が望ましいでしょう。定年を超えて期間を区切ら ずに漫然と雇用していると、それは定年という自動退職の仕組みが適用されない、いわば青天井で死ぬまで雇います!と、言っているようなもので、従業員から 自発的に退職の申し出がない限り、解雇するか、少なくとも退職勧奨しなければならないことになってしまいます。必ず期間に終わりがある仕組みを導入しま しょう。

=不都合その2=

「労働条件の見直しがしにくい」
通常、定年再雇用者の労働条件は、定年前と同一か、または賃金だけを削減しその他は同じというケースが多いように思います。ただ、年を経るにつれ、どうし ても健康状態や能動能率の減退を考慮せざるを得なくなることがあり、また経営状態も鑑みながら更新の有無を判断していかなければなりません。
有期雇用契約書で更新手続きを「イベント化」することによって、少なくとも1年に1回は次期の更新の有無を含めた労働条件の見直しがし易くなります。漫然と継続していると、機械的に話し合いが出来る「イベント」がないため、見直しに苦慮することがあります。

=不都合その3=

「雇用保険の離職事由で困る」

定年再雇用者が実際に退職となったとき、有期雇用契約書がないと、雇用保険の離職事由をどうするかで苦慮することがあります。大概の場合、定年後の 再雇用おける雇用保険加入資格は、定年前からそのまま継続していることが多いため、加入期間は相当長期に渉ることがあり、また雇用保険は離職事由により受 給資格が大きく左右される仕組みになっているため、どのような離職事由で離職票を発行するかは大事な問題なのです。

しかし有期雇用契約書がないと会社都合か自己都合の両極端な事由しか見出せず、期間満了による退職という離職事由が使えません。期間満了ですと、解 雇でなはないため解雇に関する様々な法的制約を受けず、また助成金が不支給になるデメリットも回避できます。従業員からみても自己都合だと3ヶ月の給付制 限がかかるところ、期間満了ではその制限はかからず、すぐに失業認定されます。

=不都合その4=

「ミッションが伝わりにくい」
定年再雇用者には黙々と今までの仕事を継続してもらうのではなく、後継者の育成、技能伝承という重要なミッションがあるはずです。それを口頭で伝えること は当然としても、雇用契約書を改めて交わし、その中にそういった特別なミッションをきちんと書き込み、今までとは違うということを意識の中に埋め込んでも らうためにも重要です。不都合その2でも言えることですが、契約書を交わすというイベントがあると、普段改まって言いにくいこともフォーマルな場を作り出 せるため、比較的言い易くなるものです。
当事務所では、様々な雇用契約書のサンプルをご提示しております。どうぞご活用いただきますと共に、担当者へお気軽にご相談ください。

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

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