2023年1月~12月
これからの求人は「Indeed」を如何に使いこなすかによって決まる(2023.3月号)
これからの求人は「Indeed」を如何に使いこなすかによって決まる(2023.3月号)
最近、テレビやYouTubeで頻繁に見かけるようになった「Indeed」(インディード)。斎藤工さんのCMでおなじみです。
これからの求人活動には「Indeed」は欠かせません。でも「Indeed」って一体なんでしょうか?
(1)求人サイトではなく「求人検索エンジン」である
Indeedはクローラーという仕組みを使って求人情報を収集しています。クローラーというプログラムがインターネット上の求人情報のデータを収集してきて、それをIndeedに反映しているのです。そのため、インターネット上の求人情報はすべて対象になりますし、逆にインターネット上にない求人情報はクローラーが拾えないので対象外になります。
インターネット上にある求人サイトを網羅的に探すことができるということから、Indeedは「求人検索エンジン」「求人版のGoogle」などと呼ばれたりしています。
求職者が見るトップ画面は、「勤務地」と「フリーワード」の検索窓があるだけで、Googleと同じくとても簡素にできています。
https://jp.indeed.com/
(2)インディード(Indeed)のビジネスモデルと料金体系
Indeedの掲載には「無料掲載」と「有料掲載(スポンサー求人)」の2種類があり、有料掲載(スポンサー求人)によって収益化をしています。
無料掲載と有料掲載(スポンサー求人)の違いは、単純に有料掲載(スポンサー求人)が上位に掲載されることです。そして、Indeedの有料掲載において料金が発生するのは、求人がクリックされるタイミングです。「クリック課金型」と呼ばれる方法で、費用が発生します。1クリックあたりにいくら支払うかという上限クリック単価を企業側で設定し、入札制で表示される求人が決まります。
Indeedの管理画面では、「上限クリック単価」と、「1日あたりに利用する上限日予算」を設定することができます。1クリック当たりの相場はだいたい50円~300円です。
(3)圧倒的な掲載数は「SEOの強さ」や「求職者側の便利さ」につながる
求人掲載数が多いことはシンプルに「サイト上に情報量が多い」ことを意味します。
現にIndeedのSEOは非常に強く「新宿 事務」などの「地名+職種」の検索ではほとんど上位表示(3位以内)されています。
また、あらゆる求人情報が掲載されているということは求職者にとってもメリットです。
今までは、新卒で会社を探すときに「リクナビに登録して・・・」「マイナビに登録して・・・」と複数サイトに登録して、さらに管理する必要がありました。
しかし今は、ありとあらゆる求人がIndeedに集まっていて、圧倒的に仕事探しの手間が省けます。
(4)インディード(Indeed)の掲載基準を満たすようにページを調整する
複数の求人を応募者に提示しない、1つの求人情報につき、「1職種」、「1勤務地」が大原則です。
<×NG例>
職種:レストラン接客スタッフ・本部事務スタッフ
応募条件:接客の経験がある方 事務経験がある方
給与体系:アルバイト・パート 経験による
<〇OK例>
職種:レストラン受付・接客スタッフ
応募条件:接客の経験がある方
給与体系:アルバイト・パート 時給 1,000円 〜 1,200円(昇給あり)
NG例は、求職者が入社後に接客と事務のどちらの業務に配属されるのか求人情報を読んだだけでは分かりませんからIndeedの掲載基準に合致していません。また給与などの重要な内容を具体的に示していなかったりといった点が問題となります。
(5)職種名がシンプルかつ具体的に表現してあること
職種名を具体的かつシンプルに記載するのが重要です。
職種名は、求職者から最も検索されやすいキーワードなので、特に注意して記載する必要があります。まず、Indeedに正しく読み込んでもらうために、わかりやすくシンプルな記載にしましょう。Indeed公式ホームページでも、下記の文言は避けるよう明記されているのでご参考ください。
◎職種名に避けるべき内容
■文章のような職種名
■感嘆符
■社内の用語、略語など
職種名は、Indeedの検索結果画面で表示される求人タイトルになります。求職者が見たときに、働くイメージを持ちやすい職種名を記載するとよいでしょう。
(職種名の具体例)
介護施設の介護福祉士 介護施設の准看護師 機械製造エンジニア たこ焼き屋の店長職
(6)検索キーワードを原稿に入れる
求職者が検索する際に使用されやすいキーワードを、求人原稿にも記載することが大切です。Indeedでは、求職者が特定のキーワードを入力して検索をかけ、マッチ度が高い求人が表示されます。逆に言うと、自社の求人が上位に表示されない場合、そもそも検索キーワードが求職者のニーズと合致していない可能性があります。
自社が求める人材を獲得するために、検索キーワードの盛り込みは欠かせません。
よく検索されているキーワードについては後述しますが、「自社が求める人材がどのようなキーワードで検索するのか」を予測して、求人に反映させる必要があります。
Indeedの管理画面には、「Indeedアナリティクス」と呼ばれる、掲載求人のパフォーマンスを分析する機能が搭載されています。アナリティクスでは、検索画面での「表示回数」を確認できるので、まずはこの表示回数や順位をチェックしてみてください。
表示回数が少ない場合、順位が低い場合は、キーワード対策を改善するとよいでしょう。
(7)キーワード対策による表示順位への効果
キーワードを適切に盛り込むことで、獲得したい人材の検索結果に自社の求人が表示されます。マッチ度が高いほど上位に表示されやすくなるため、おのずと募集増加につながるのです。
ただし、職種やエリア、ターゲットによって競合性は異なるため、キーワード対策の効果には差が出ます。上位表示を狙うためには、前記の通り、求人ごとの表示回数を定期的に確認し、改善を図ることが重要です。また、盛り込むキーワードを選定する際には、「~ではない」という表現に注意が必要です。
例えば、「今回は業務委託の募集ではないのでご注意ください」「日払いではありません」と記載したとします。
この場合、「業務委託」「日払い」といった単純なキーワードのみをIndeedのAIが拾ってしまい、業務委託や日払いを希望する求職者に表示されてしまう可能性があるのです。
(8)検索されやすいキーワード一覧
検索されやすいキーワードは、職種や雇用形態などによって異なります。
例えば、工場の作業員を募集する場合、「日払いOK」「寮完備」「残業なし」などが検索される傾向にあります。
業界やターゲットの求職者にとってニーズが高い要素で、かつ自社がアピールできるものがあれば、求人原稿に盛り込んでいきましょう。
条件面で検索されやすいキーワードは、下記の通りなので、求人票を作成する際にご参考ください。
・残業なし ・シフト制 ・平日◯時間以内OK ・週◯日からOK ・土日祝日休み
・年間休日〇〇日以上 ・転勤なし ・離職率◯未満 ・最寄駅から徒歩◯分
・有給休暇消化率◯%以上 ・研修制度充実 ・中途入社◯割以上 ・〇〇代の多い職場
・平均年齢〇〇歳 ・入社祝い金あり ・交通費支給あり ・高時給 ・週払いOK
・残業代全額支給 ・社宅・家賃補助制度
(9)Indeedの求人情報でクリック率が上がらない理由
Indeedには膨大な量の求人が掲載されているので、自分たちなりに対策をしても、クリック率が上がらないケースもあります。クリック率が上がっていない場合、考えられる要因は下記のとおりです。
a.そもそも表示されていない
求職者の求人検索画面に、そもそも自社の求人が表示されていない可能性があります。多くの場合、これはキーワード対策に失敗していることが理由です。
b.ターゲットに沿って配信できていない
検索画面に表示されていても、ターゲットに興味のある求人でなければ、クリックにはつながりません。例えば、「飲食店 スタッフ」とだけ求人に書いても、「ホールスタッフ」なのか「キッチンスタッフ」なのかは判断できません。
そのため、有料掲載や効果的なキーワード対策でいくら上位表示させても、求職者は他の具体的な求人に流れてしまうでしょう。まずは自社が「どんな人材を求めているのか」を明確にしたうえで、ターゲットに沿った求人を作成しましょう。
c.表示される情報が少なすぎる
検索画面では、検索キーワードに対応した求人内容の一部が表示され、クリック後に求人全体を閲覧できるようになっています。
そのため、検索結果に表示される情報が少なすぎると、何の求人なのかが伝わらず、見逃されるケースが増えるのです。
対策したキーワードの前後に詳しい情報を盛り込むことで、検索画面に表示される一部分だけでも、求職者に求人の魅力を伝えられるようになります。
d.タグを活用できていない
「タグ」とは、求人名の下に表示される注目情報のことです。求人情報の目立つ位置にあり、求職者の目に自然と入るため、クリック率にも影響します。タグはIndeed内で求人を直接投稿する場合、3つまで選んで設定できます。
選べるタグは、下記のとおりです。
・シニア応援 ・社員登用あり ・昇給・昇格あり ・残業なし ・週1日からOK
・週2〜3日からOK ・シフト自由 ・高収入 ・交通費支給 ・即日勤務OK
・急募 ・駅から5分以内
(10)クローリング掲載
自社採用ページの掲載には、Indeed によるクローリング(読み込み)の設定が必要となります。この設定のためには、原則として以下のような条件があります。(一部抜粋)
●自社HPに採用ページが設置されている(他社運営サイトに掲載の求人情報はクローリングできません)
●求人情報が画像ではなくテキストで記載されている
●職種名がシンプルで明確に記載されている(キャッチや見出し、文章はNG)
●勤務地が市区町村レベル以下まで詳細に明記されている
●業務内容がひとつひとつ詳細まで明記されている
●応募方法が明記されている (応募フォームの場合は、他ドメインに遷移せず、同じドメイン下で応募完了まで行うことができる)
●1職種×1勤務地ごとに固有のURLが設置されている
●求人一覧ページ(求人がリストのように一覧で表示されているページ)がある
●案件毎の募集要項ページのフォーマットが同一である
上記の条件を満たしている採用ページをお持ちの場合には、Indeed までクローリング依頼ができます。
(11)Indeed に求人が表示されない
投稿した新規求人が検索結果に表示されない場合、Indeed の求人掲載ガイドラインに準拠していないなどいくつかの理由が考えられます。当初は表示されていた求人が、後から表示されなくなる場合もあります。求人が表示されない理由には、以下のようなものがあります。
・スポンサー求人として設定されているが、クレジットカードが未登録の場合
・求人のステータスが休止または募集終了になっている場合
・メールアドレスの認証がされていない場合
・Indeed の 求人投稿ガイドライン に抵触するとみなされ、表示順が低下した場合
・スポンサー求人が1日の予算上限に達している場合
(文責 特定社会保険労務士 西村 聡 今回の記事は無料求人サイト「採用係長」から配信されている情報に依拠しております)