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令和7年4月から育児介護のルールが改正されます(2025.2月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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2025年1月~12月

令和7年4月から育児介護のルールが改正されます(2025.2月号)

●令和7年4月から育児介護のルールが改正されます(2025.2月号)

 

昨今、育児や介護と仕事の両立が重要視され、両立出来るようにするために会社に求められる責務が大きくなっています。その流れで令和7年に育児・介護休業法の改正が行われ、概要は以下の通りとなっています。


(育児に関する制度の改正)

1.子の看護等休暇

子供の病気等の理由で本人が申し出ることにより1年度に5日(対象となる子供が2人以上であれば10日)まで休暇を取得できる制度。有給である必要はない。

(改正点)

・対象となる子の範囲の拡大…今までは小学校に入る前の子がいる場合だったものが小学校3年生までの子がいる場合に改正
・取得事由の拡大…子供の病気や予防接種・健康診断のみから学級閉鎖や入園・卒園・入学式への参加でも認める必要
・取得できる対象労働者の拡大…雇用期間が継続して6か月未満の方は労使協定により除外出来ていたが、今回の改正で除外出来なくなり週2日未満の勤務のみ の者が除外可能に。

2.所定外労働時間の制限(残業免除)の対象拡大

子供を養育する労働者が残業しないことを希望した場合法定内・法定外に関わらず事業の正常な運営を妨げる場合以外は所定労働時間外の労働をさせてはいけないという制度

(改正点)

・対象となる子の範囲の拡大…3歳未満の子を養育する労働者だったものが小学校に入る前までの子を養育する労働者に変更となった。
   


3.短時間勤務制度の代替措置にテレワークを追加

3歳未満の子を養育する労働者が希望した場合、短時間勤務を認める必要があるが、どうしても困難な場合に認められる代替措置にテレワークが追加

(改正の結果)代替措置が

(1)育児休業に関する制度に準ずる措置(育児休業と同じような休業制度)
(2)始業時刻の変更等
(3)テレワーク

4.育児の為のテレワーク導入(努力義務)

3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務に


5.育児休業取得状況の公表義務適用拡大

育児休業等の取得状況を現行従業員1,000超の企業だったのが、300人超に引き下げ


(介護に関する制度の改正)


1.介護休暇を取得できる労働者の要件緩和

家族の介護により本人が申し出た場合に1年度に5日(対象家族が2人以上でであれば10日)まで休暇を取得できる制度。有給の必要はない。

(改正点)


・取得できる対象労働者の拡大…雇用期間が継続して6か月未満の方は労使協定により除外出来ていたが、今回の改正で除外出来なくなり週2日未満の勤務のみの者が除外可能に
 


2.介護休業制度(介護休暇と違いまとまった期間の休業)について

・介護休業制度を周知するための研修や相談窓口の設置などを行い、家族の介護が必要となった際に従業員が介護休業を取得しやすい環境を整えておくことが義務化。
・実際に介護が必要な労働者がいた場合に個別の制度を周知し意向を確認することが義務化
・労働者が40歳に達する年度もしくは誕生日から1年の間に介護休業制度について情報適用することが義務化

3.介護の為のテレワーク導入(努力義務)

家族の介護が必要な労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務に


○R7年10月1日施行 育児・介護休業法改正(主に育児に関するもの)

(育児期の柔軟な働き方を実現するための措置)

3歳から小学校に入るまでの子がいる労働者に対して
   (1)始業時刻の変更
   (2)月10日以上のテレワーク
   (3)従業員が利用できる保育施設の設置運営等
   (4)子供を養育しやすくするため年10日以上の休暇(有給でなくてもよい)の付与
   (5)短時間勤務(1日の所定労働時間を6時間に変更する)制度

以上、5つの中から2つ以上を選択し就業規則に盛り込み、その2つのうち労働者が希望すれば1つを選択できるようにすることが義務化。
 


(仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮)

子供が生まれたときおよび3歳になるタイミング(3歳の誕生日の1か月前から1年間)で勤務時間帯や勤務地、育児と両立する為の制度の利用、そして就業条件について意向を確認することが義務化
 

  
以上がR.7年の法改正です。


例えば看護休暇や介護休暇については有休を取得する労働者の方が多いこともあってか利用は少ないように思えますし、時短勤務を希望する労働者は多いものの残業時間の制限を希望する従業員というのは少ない印象は受けますので、今回の改正については私の感覚では影響はあまり大きくないように思いますが、従業員が育児や介護と仕事を両立する為に会社に求められる役割は年々増大していっていますので、さらに会社の負担が増大していく懸念があります。

(文責 社会保険労務士 田中 数基)

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