10月からカスタマーハラスメント、就活ハラスメント措置が義務化されます(2026.9月号) | 社会保険労務士法人ラポール|なにわ式賃金研究所

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2026年1月~12月

10月からカスタマーハラスメント、就活ハラスメント措置が義務化されます(2026.9月号)

●10月からカスタマーハラスメント、就活ハラスメント措置が義務化されます(2026.9月号)
~カスタマーハラスメント・就活ハラスメント対策義務化のポイント~

 

2026年10月1日より、厚生労働省が定める指針に基づき、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」および「求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活ハラスメント)」について、事業主に防止措置の実施が義務づけられます。 本号では、施行前に押さえておくべきポイントを簡潔に整理いたします。

 

1.カスタマーハラスメント対策義務化の概要

(改正労働施策総合推進法)
◇カスタマーハラスメントとは、以下の3要件をすべて満たす顧客等の言動を指します。

(1)顧客・取引先・施設利用者等の言動であること
(2)社会通念上許容される範囲を超えていること
(3)労働者の就業環境を害すること

典型例として、暴言・侮辱、過度な要求、長時間の居座り、SNS等での執拗な攻撃などが挙げられます。 なお、正当なクレームや合理的配慮の要請はカスハラには該当しません。

 

◇事業主が講じるべき義務
指針では、以下の措置が事業主に義務化されています。

① 方針の明確化・周知
・カスハラには毅然と対応する旨の方針を定め、労働者へ周知
・カスハラの内容、対応手順(管理者への報告、単独対応の回避、警察通報等)を明確化

② 相談体制の整備
・相談窓口の設置と労働者への周知
・相談担当者が適切に対応できる体制整備

③ 事後対応
・事実関係の迅速・正確な確認
・被害者への配慮措置
・再発防止策の実施

④ 抑止措置
・悪質ケースへの対処方針(警告、出入り禁止、警察通報等)の事前整備

⑤ その他必要な措置
・相談者のプライバシー保護
・相談を理由とした不利益取扱いの禁止

 

◇ 実務上の留意点
・パワハラ防止措置の枠組みを活用可能
・派遣労働者については派遣先も義務を負う
・消費者の権利や障害者差別解消法の合理的配慮義務に留意する必要あり

 

2.就活ハラスメント(求職者等セクシュアルハラスメント)対策義務化

(改正男女雇用機会均等法)
◇就活ハラスメントとは、事業主が雇用する労働者による性的な言動により、 求職者等の求職活動・実習等が阻害される行為を指します。

◇対象となる「求職者等」
・求人応募者
・採用活動に参加する者(会社説明会・面接参加者等)
・インターンシップ参加者
・教育実習・看護実習等の実習生
・オンラインでの採用関連活動も含む

 

◇典型的なハラスメント例
・インターン中の性的な冗談・からかいの継続
・面談時に性的関係を求める
・SNSでの不適切な接触 これらにより、求職活動の意欲低下や活動阻害が生じるケースが対象となります。

 

◇事業主が講じるべき義務
指針では、以下の措置が求められます。

① 方針の明確化・周知
・求職者等へのセクハラ禁止方針
・行為者への厳正な対処方針
・面談場所・時間、SNS利用ルール等の明確化

② 相談体制の整備
・相談窓口の設置と求職者等への周知
・担当者が適切に対応できる体制整備

③ 事後対応
・事実関係の迅速・正確な確認
・被害者への配慮措置
・行為者への適切な措置
・再発防止策の実施

④ その他必要な措置
・相談者のプライバシー保護
・協力した労働者への不利益取扱い禁止

 

3.企業が今すぐ着手すべき準備
(施行までの実務ポイント)

(1)基本方針・対応ルールの策定

・カスハラ・就活ハラの定義の確認と禁止方針
・対応手順(初動対応、管理者報告、警察通報基準等)
・悪質ケースの線引き
・採用活動における面談ルール(場所・時間・SNS利用等)

 

(2)就業規則・社内規程の整備

・ハラスメント規程への追加
・懲戒規程との整合性確認

 

(3)相談窓口の整備

・既存のハラスメント窓口との統合も可能
・担当者研修の実施(判断基準・初動対応)


(4)周知・啓発

・社内研修(正当なクレームとの線引き、採用時の注意点)
・採用担当者・現場責任者への重点教育
・求職者向け相談窓口案内文の整備

 

(5) 運用体制の点検

・発生時の対応フローの確認
・年間の運用サイクル(研修・点検・改善)

 

 

4.義務化の背景と企業メリット

・厚生労働省調査では、約10人に1人がカスハラ被害を経験
・就職活動経験者の約30%がセクハラ被害を経験とされており、対策の必要性が高まっています。

適切な対策は、? 労働者の離職防止、採用活動の信頼性向上、顧客・取引先との健全な関係構築につながり、企業価値の向上にも寄与すると思います。

 

 

5.まとめ

2026年10月の施行に向け、「方針の明確化」「相談体制の整備」「事後対応」「抑止措置」「周知・啓発」 の5本柱を中心に、社内体制を整えていくことが求められます。

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

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