平成28年1月~12月
幹部は「考える力(ロジカルシンキング)」を鍛えよう その3 (H28.5月号)
~仕事力とは、行動力×思考力+人間関係力だ~
●幹部は「考える力(ロジカルシンキング)」を鍛えよう その3 (H28.5月号)
今回は4月号の続きです。前回は思考方法を助けるフレームワークをいくつかご紹介しました。特にマーケティングでよく使用されるものをご紹介したのですが、日常の身近な意思決定に使用できるマトリクスをあと二つ、ご紹介します。
1.プロコン表
「○○をすべきか」というような命題を抱いたとき、そのメリットとデメリットを対比して書き出してみるものです。
プロ(賛成orメリット) Pros| コン(反対orデメリット)Cons
__________________|_________________
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○・・・・・・・・・・・・・ | ×・・・・・・・・・・・・・・・
○・・・・・・・・・・・ | ×・・・・・・・・・・・
○・・・・・・・・・・・・・・ |
|
賛否どちらの項目が多いかではなく、個々の項目に着目して総合的に判断するようにします。
2.意思決定マトリクス
判断基準や選択肢が複数あり、どれに絞り込んで行くかを決めるのに使用します。例えば社員を採用するとして、候補者が3名いる場合、どの人物に絞り込むかを検討する場合は、以下のようなマトリクス(表)にて、意思決定します。
(横軸の項目は例示、各企業ごとに重視する評価対象項目を入れる)
住所 履歴書 年齢 時間 靴 適性検査 表情 言葉 勤労意欲 協調性 資格
____|__________________________________________________
Aさん ○ △ × ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ △ ×
____|__________________________________________________
Bさん ◎ ○ ○ × △ △ ○ ○ ◎ ○ ○
____|__________________________________________________
Cさん × ◎ △ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○
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(◎○×△ではなく、点数化しても良い)
このように、日常よく使用するフレームワークは上記のようなマトリクスです。マトリクスとは、要するに縦横四角囲みの表にしてみるものです。また、マトリクスと共に、使い易いのがロジックツリーです。前回もご紹介しましたが、このロジックツリーを使って、「残業を減らすためにはどうすれば良いか?」の命題に対して、考えて行きましょう。
|----不要な仕事の洗出し
|---仕事自体の削減-----|----受注を控える
|
|---仕事量の問題---|---仕事を振る---------|----他人に振る
| |----外注する
| |----増員する
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残業を減らすには?----|
| |-----無駄な休憩削減 ターーゲットを絞って
| |---仕事以外の時間削減-----|-----会議の削減 →更に具体的対策へ
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|---生産性の問題---|
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| |---仕事自体の生産性UP---|-----個人のスキルUP
| |-----自動化・IT可
| |-----最新設備の導入
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|---仕組みの問題---|---重複作業の削減--------指示書を統一する
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| | |-----責任者を決める
| |---マネジメント ----|-----事前許可制を取る
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|---風土の問題-----|---経営者の意識-----|-----経営者が繰返し注意
| |-----長時間労働を評価しない
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|---社員の意識-------|-----19時までに全員帰社
|-----残業代で稼がない
頭の中でなんとなく考えるだけでなく、図や表に書き出してみることが思考を纏めるポイントになります。箇条書きでも構いません。まず、目の前で紙に書き出してみることが大切です。
(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)