平成28年1月~12月
会社活性化のために委員会制度を立ち上げよう (H28.7月号)
●会社活性化のために委員会制度を立ち上げよう (H28.7月号)
組織を機能的に運営し、活性化させる手法の一つに、委員会制度があります。これは会社内にある様々な課題に対し、テーマごとに委員会を構成し、経営者の諮問機関としながらも、従業員が主体となって改善活動を行い運営されることが多いようです。
比較的大きな組織では、日常的に行われていますが、中小零細企業では余り行われていません。中小零細企業では経営事項に関することは社長一人が行い、他の従業員は日常業務を黙々とこなす状態となっていることが多く、従業員が主体となって経営に関与することは余りありません。
しかし社長が如何に有能でも、所詮、一人で考えることは知れています。また組織を運営する最大の意味は、相乗効果だと思うのです。つまり到底一人では成し得ないことが2乗、3乗で可能になる、つまり足し算ではなく、掛け算です。そんな社内風土であって欲しいですよね。
そこで今回は、中小零細企業でも簡単に作れる「委員会制度」の雛形をご提示したいと思います。
委員会設置規程(例)
(総則)
第1条 この規程は、当社の委員会活動への参加ルールを定めるものである。
(目的及びテーマ)
第2条 委員会活動の目的は従業員の意見を会社経営に役立てることにより、従業員に経営参加の機会を与え、組織の活性化を図ることとし、テーマは以下を参考に、従業員の自主運営により行うことを原則とする。
1.会社理念の継承や、新たな風土形成の醸成
2.従業員教育に資するもの
3.新商品の開発
4.お客様へのサービスの改善
5.生産、販売、管理システムの合理化
6.会社のコミュニケーション活性化
7.企業イメージの向上
8.原価低減、費用削減
9.安全衛生の向上策
10.その他会社の改善または社会に貢献できる活動
(諮問)
第3条 委員会は原則自主運営とするが、社長が特定したテーマを諮問することができる。委員会は諮問されたテーマについて期日までに、提言書を社長宛に提出しなければならない。
(対象)
第4条 委員会は、原則全従業員を対象とする。但し委員会の決議により、病気休職中、勤務日数が少ない者など、一定の従業員を除外することができる。
(委員会への参加)
第5条 当社に勤める従業員には、第2条の目的を達成するために、積極的に委員会活動に参加しなければならない。
2 従業員は、自身の選択または指名により、一つ以上の委員会に参加する。委員会に参加する従業員は、委員に選任されたことの責任を自覚し、積極的かつ誠実に委員会活動に参加しなければならない。
(委員長)
第6条 委員会には、委員長を1名置く。
2 委員長は、委員会の活動を統括し、任期内の活動をその都度、社長に文書で
報告する。
3 委員長は委員会の議長を兼務する。
(役員)
第7条 各委員会には委員長の他に以下の各号に定める役員を置く。
1. 幹 事 委員長(議長)を補佐し、委員会の運営管理にあたる。
2. 書 記 委員会の記録責任者とする。
(任期)
第8条 委員会の委員の任期は4月1日から翌年3月31日迄の1年間とする。
(役員選任)
第9条 委員会の役員は委員の互選により選任する。
(活動時間)
第10条 委員会活動は、原則として、所定労働時間内で、かつ1回2時間以内で収まる活動とする。やむを得ず、時間外に行う場合は、社長の許可を要する。
(会社の努力義務)
第11条 社長は委員会から提案された内容を真剣に受け止め、できる限り経営活動において実行して行くものとする。
(その他)
第12条 その他、本規定で定めない事項については、社長と委員長の協議の上、その都度定める。
(附 則)
第13条 この規程は、平成○○年○○月○○日から施行する。
2 設置する委員会は年度ごとに決定し、その参考例を以下に示す。
[委員会 例]
(1)親睦委員会・・・社内コミュニケーション推進を目的に、社内報の作成、LINEによる情報交換、レクリエーションの企画その他、社内の親睦向上を基本活動とする。
(2)4S委員会・・・働きやすい環境づくりを目的に、整理、整頓、清掃、清潔の企画、運営を基本活動とする。
(3)リサイクル委員会・・・会社として地球環境に貢献していくために、会社でできるリサイクル活動の企画、運営を基本活動とする。
(4)残業撲滅委員会・・・全従業員が、定時で帰宅できるように、社内業務体制の見直し、業務の効率化により、残業のない職場作りを基本活動とする。
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(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)